聖域・ヒマラヤ

言わずと知れた世界最高峰・エベレスト(8,848m)を含む、2,400kmに及ぶ山脈。

私が言うヒマラヤとは、インド側のヒマーチャルの事であります。

6,000m級の山々がそびえ立つヒンドゥー教の聖地・パールバティ バレー(Parvati Valley)

シヴァの妻、パールバティはヒマラヤの娘で、ヒマラヤそのものでもあります。

また、シヴァとパールバティは一体なので、シヴァもヒマラヤなのです。

大昔からシヴァ信仰があついこの地域では、今現在も祈りは生活の一部。

Om Namah Shivay

サドゥと呼ばれるヒンドゥー教の修行僧は、村の中にもおり、私の様な旅人でも受け入れてくれます。

ヒンドゥー、神々の逸話について語ってくれます。生きた教えなのです。

ヒマラヤの面白さは、車では行けない場所にある!

山道を歩いて奥へ進むと、小さな集落が点在しています。

そこでは火を起こして調理し、山の水で生活しています。

村独自のルールであらゆる取り決めがなされ、政府の法律など届かない場所。

完全な自己責任。身の保証はありません。一から築く信頼関係。

時空を超えた感覚がします、彼らは山岳民族であり、今も自然と一体なのです。

この地球上でそんな場所は数えるくらいしかないでしょう。

インド・ヒマラヤには有力な水晶の産地がいくつかあります。

魅力は何と言っても、ユニークな形。もちろん透明感と照りも最高品質。

イギリス植民地時代から、水晶は採掘されていました。

当時は火打ち石として。

眺めて楽しむ水晶が採掘され始めたのは、ほんの3~40年前の話です。

ヒマラヤ水晶を世界的なコレクターレベルまで引き上げたのは、2013年前後にマニハール村、ゴウムクエリアから採れ始めたルチルです。

ルチルとクローライトが内包された水晶は世界中の鉱物マニアがハッとしました。

ヒマラヤンルチル

ここからこの地域の水晶ハンターが活発に動き始めます。

値段が大きく跳ね上がり、一攫千金を夢見る若者も続々と参入します。

パールバティvallry、ガルサvalley、サインジvalley,

山の奥の奥までハンター達が入っていきます。

マニハール村 段々畑が美しい

カテドラルクォーツ (マニハール産)

インド・ヒマラヤ水晶はスイス水晶と同じく、全て手作業で採掘されます。

100kgを超えるクラスターなどは、まさに神輿の様な形で20人程の山男によって村まで持ち帰られます。もちろん足元は断崖絶壁。

その価値は高い…ここ5年で価格は10倍近くまで上がっています。

ただ、持ち帰られた水晶の90%は、原石コレクターにとって物足りない品質です。

まだ品質に対する理解が十分に広がっていない為です。それらは加工用として使われます。

残った10%のうち、最高品質は全体のわずか5%。

私はその5%の為にヒマラヤへ足を運びます。