TAKKA
2012年 皆既日食 in オーストラリア。
これが旅の始まりでした。行った事のない所へ行ってみたいという、シンプルな衝動を抑えきれず日本を飛び出したのです。
およそ4分間の皆既日食で、意識のスイッチをONされました。
やらなきゃいけない事はない…やりたい事があれば全ての時間を使えるし、行きたい所があれば全力で向かう!
オーストラリアのノーザンリバーというエリアにたどり着きました。パーマカルチャー(永続可能なライフスタイル)が根付き、コアラやワラビーなどの野生動物も豊富で、自然が豊かな土地です。
舗装のない山道を車で10分、丘の上に彼の家はありました。ウーフ(間借り)させてもらう家です。
彼はここで30年間暮らしています。雨水を巨大タンクに貯め、太陽光発電で電気をまかない、たくさんの野菜を育て、アヒルさんから卵を頂きながら。
私の価値観はここで大きく方向を変えました。畑から取れる野菜だけで作る食事に最高の贅沢を感じ、オフグリッド(水、電気を自分でまかなう)でオーガニックなライフスタイルを学んだのです。
そんな中、想いは一つ。
「どうすればずっと旅を続けることが出来るんだろう」
何かを売りながら旅をすれば…そんな思いつきでマクラメを始めました。
水晶に出会った事も、勢いをつけました。
特にヨーロッパの音楽フェスティバルでのバスキング(道売り)は、刺激溢れる場です。斬新でユニークなアーティストがたくさんいます。
国や人種、宗教を超えるものが音楽にはあります。リズムを共有する時、意識を超越した原子の繋がりを感じます。
水晶を見た時、綺麗だなと感じる時はそれもまた、原子同士の繋がりを感じます。
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その後、
マクラメの素材として付き合っていた水晶にどっぷりとのめり込みます。
以前にも訪れた事があった、インド・ヒマラヤ山脈のパールバティvalleyに通い詰めます。
そこは様々なフリークスが集う場所。
Boom Bolenathが鳴り止まない。
Psytranceがメインストリーム。
少しイカレてるけど、尊敬と愛に満ち溢れてる旅人達。
⚪︎
電波が届かない村まで行けば、数百年前までタイムスリップ。
テンプルの周りにおじいさん達が日向ぼっこして、子供達が走り回っています。
お父さんや青年は山に木を切りに行ったり、家の補修をしたり。
女性陣は食事の準備をして、機織り機がカタカタカタ。
電気は来てますが、停電は日常。みんな当てにしてません。
日が暮れると家族3〜4世代が集まって、夕飯です。
そして寝て、朝日と共に起きます。
私は、現代的な日本の街で生まれ育ったので、この山の暮らしは新鮮です。が、懐かしさを感じます。
モダンな生活は便利で、なんでも一人で出来ます。
山の暮らしは不便で、なにも一人で出来ません。
みんなでやるから、そこにgroove、ノリが生まれます。
このグルーブで不便さも乗り越えます。
そもそも山の民は、昔から同じ生活をしているだけなので、不便とすら思ってませんが。。。
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このエリアは、インド・ヒマラヤ水晶のセントラル中心です。
通う度に山の民と合流が深まって、採掘まで一緒に行ける様になりました。
標高4,200mまで10時間かけて登り、10日間程キャンプします。
朝起きて、ダルカレーを食べて、水晶を掘って、帰って寝る。
水晶フリークにとってはベストな1日。
そして、採れた水晶を担いで、村まで帰ります。
あぁ、これは毎年続けたいなぁ、、
と願ったけど、叶わず。
Covid-19
2020年4月頃からインドビザはストップしました。
行ける国はあっても、現地で冷ややかな対応をされるのは言わずもがな。
世界はStay Homeが基本のライフスタイルになりました。
私は、ずっとやりたかった、彫金、シルバーを始めました。
マクラメと水晶も好きだけど、最近は金属と水晶が好きです。
アーティスト達にとってStay Homeはお手の物。
また飛び出せるタイミングが来るまで、みんながハッとする様な物を作りたい。
2021年4月。Taka